『クチナシ』

taishiho2008-07-01

庭のジャングルにクチナシの花がひときわ白く輝いている。
その白さは清楚な女性のように眩しくて、ちょっとドキリとする。

クチナシ
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
東アジアに広く分布し、日本では本州南部〜四国・九州・沖縄の野山に自生する。野生には、森林の低木として出現するが、園芸用として栽培されることも多い。

高さ1-3mほどで、葉はつやがある。花期は6-7月で、6弁の花を咲かせる。花弁は開花当初は白色だが、徐々に黄色に変わっていく。花には強い芳香があり、学名の種名「jasminoides」は「ジャスミンのような」という意味がある。品種改良によりバラのような八重咲きの品種も作り出されている。

10-11月ごろに赤黄色の果実をつける。この果実は熟しても割れないため、「口無し」という和名の由来となっている説もある。他にはクチナワナシ(クチナワ=ヘビ、ナシ=果実のなる木、つまりヘビくらいしか食べない果実をつける木という意味)からクチナシに変化したという説もある。

人家周辺に栽培されることが多い。ただし、クチナシを植えるとアリが来るといって敬遠する例もある。スズメガに典型的な尻尾をもつイモムシがつくが、これはオオスカシバの幼虫である。奄美大島以南の南西諸島では、果実の中にイワカワシジミの幼虫が入る。

果実にはカロチノイドの一種・クロシン(Crocin)が含まれ、乾燥させた果実は古くから黄色の着色料として用いられた。また、発酵させることによって青色の着色料にもなる。これは繊維を染める他、食品にも用いられ、サツマイモや栗、和菓子、たくあんなどを黄色に染めるのに用いられる。また、大分県の郷土料理・黄飯の色づけにも用いられる。クロシンはサフランの色素の成分でもある。

また、果実は山梔子(さんしし)と呼ばれ、日本薬局方にも収録された生薬の一つである。煎じて黄疸などに用いられる。黄連解毒湯、温清飲、五淋散などの漢方方剤に使われる。

黒人ジャズ歌手ビリー・ホリデイはしばしば、クチナシの花を髪に飾って舞台に立った。