『東京に原発を!』

taishiho2007-07-17

【著】広瀬 隆
価格:¥ 580 (税込)
出版社 : 集英社
この本の作者に興味を持ったのには理由があります。
実は私と名前が同じだからというとても単純な理由です。
最初に読んだのは「ジョン・ウエインはなぜ死んだか」(1982年)という本です。
作者はジョン・ウエインの死亡記事を読んで癌で死ぬ映画スターが多い事に気付く。
考えてみるとゲイリー・クーパーヘンリー・フォンダスティーヴ・マックィーン
みんな癌に倒れている。何故か?作者はある仮説たてたのです。
これは大変興味深い本でした。もしかしたらそれは真実かもしれません。
『東京に原発を!』はそれ以前に出した本なのでかなり古い本です。
でも今読んでも充分通じる新鮮な内容なので多くの人に読んでもらいたい本です。
原発に反対の人はもちろんのこと、賛成の人も読んでおいたほうがいいと思います。
先月、TV『ザ!世界仰天ニュースチェルノブイリ原発事故 仰天の真実を観た時も
すぐにこの本のことが思い浮かびました。
そんなに安全で便利だというのなら東京に作ればいいじゃないか。
新宿西口に建ててみたらどうだ!過疎の浜の人は死んでも仕方ないというのか。
でも、もし原発で大事故が起これば過疎地どころか日本全土が危ないのです。
それどころかチェルノブイリ原発事故の時のように地球全体が汚染されるのです。
新潟県柏崎刈羽原発で大きな地震というニュースを聞いてとても心配になりました。
地震の影響で同原発の固体廃棄物棟内のドラム缶約100本が転倒して
主排気筒からヨウ素131、同133、クロム51、コバルト60の放射性物質が検出された。
原子炉給水ポンプのタービン用の油約800リットルが漏えいしたのも確認されたという。

原発が本当に安全であるのなら、何も田舎ではなくエネルギー効率、送電効率の一番いい、東京湾にこそ作るべきだ」という至極まっとうな切り口で述べる、反原発の教科書的作品。
原発が安全で存在であり得るかについては、今後の科学技術、運用技術により進歩する余地はあるであろう。しかし、未来永劫変わらないのは原発が、「いま消費する電気の後始末を、自分たちの子孫に押しつけること」から逃れられない、ということである。ウラン、プルトニウムとも、数千年以上も管理、監視をしなければいけない存在であり、そのようなやっかいなものがすでに日本には大量にあるという現実である。