『どろろ』

taishiho2007-02-09

全4巻 手塚治虫
手塚は執筆当時の白土三平水木しげるの作品人気を意識して
描いたらしいが、それらとは全く違う傑作を作ってしまう所が
さすがは天才。やっぱり手塚治虫は素晴らしい。
ただ残念なのは、マンガが一応の結末がはみるものの
48体の妖怪を退治する前に中途半端で終わっていることだ。
アニメの方は幸いなことにすっきりした終わり方をしている。
全身に欠損を持つ超能力者と盗賊の孤児が主人公ということで
差別問題など微妙な問題が多く地上波では殆ど再放送されないなど
かなり不遇な状況を背負った作品だがファンの間では幻の名作と呼ばれている。

1969年4月6日〜9月28日、毎週日曜日19時30分から20時00分(フジテレビ)
制作:虫プロダクション。全26回。モノクロ作品
当初は「どろろ」という題名であったが、第14話からは「どろろと百鬼丸」に改題。
アルプスの少女ハイジ 」「フランダースの犬」「母をたずねて三千里」など 
数々の名作を生んだカルピスまんが劇場として放映。因みに、この後は「ムーミン」。
※「どろろ」というタイトルは手塚治虫の友達の子供が「どろぼう」と言えなくて
カタコトで「どろろう」といったことをヒントにした。

[あらすじ]
室町時代末期、武士の醍醐景光は天下取りの代償として自分の子を生贄として48体の魔神に差し出す。その結果赤ん坊は体の48箇所を欠損した体で生まれ、化け物としてそのまま川に流され、捨てられてしまう。医者・寿海に拾われた赤ん坊は彼の手により義手や義足を与えられ、14年後、成長した赤ん坊は百鬼丸(ひゃっきまる)と名乗り、不思議な声に導かれるままに自分の体を取り戻す旅に出る。旅の途中、百鬼丸は数人の大人に苛められていたこそ泥のどろろと出会う。百鬼丸どろろを助けるがどろろは礼を言うどころか彼の左腕に仕込まれた刀に目を付け、しつこく百鬼丸を付け回すようになった。初めは邪険にしていた百鬼丸だが、自身の体の秘密や生い立ちを話してもびくともせず、むしろ面白がってますます自分に興味を持ってくるどろろを何処か憎めなかった。そして幾多の危機を乗り越えていくうちにいつしか二人の間には相棒とも友人とも呼べる奇妙な絆が生まれた。また旅に出る前、あの声が教えてくれた通り魔神を倒す度に奪われた48箇所の体は一つずつ復活していく。