『明日の記憶』

taishiho2007-07-02


監督:堤幸彦

出演:渡辺謙 樋口可南子 
   吹石一恵 及川光博 香川照之 渡辺えり子 大滝秀治  

原作:荻原浩【光文社刊】

脚本:砂本量 三浦有為子

昨日TVで、この映画「明日の記憶」を観ました。
映画を観ると、主人公になり切ってしまう僕にとって
自分も若年性アルツハイマー病になってしまったのではないか
という錯覚を起こしながら、ちょっとドキドキしながら観ました。
そしてそれは決して他人事ではないということを肝に銘じました。
なにしろ主人公は僕と同じ、というよりも少し若いのですから。
できることなら通りたくない道だけれど、もしかしたら・・・。
作者荻原浩さんと監督堤幸彦さん、渡辺謙さん、樋口可南子さん
そんな避けたくなるテーマをよくぞ取り上げてくれました。
物忘れ、頭痛、不眠、目眩、あまりにも思い当たる節が多い。
なんだかもうほんとうに若年性アルツハイマー病かもしれません。

<ストーリー>

広告代理店に勤める佐伯雅行は、今年50歳になる。ありふれてはいるが穏やかな幸せに満ちていた。そんな彼を突然襲う〈若年性アルツハイマー病〉。
「どうして俺がこんな目に……なんで、俺なんだ!!」。こぼれ落ちる記憶を必死に繋ぎ止めようとあらゆる事柄をメモに取り、闘い始める佐伯。毎日会社で会う仕事仲間の顔が、通い慣れた取引先の場所が……思い出せない……知っているはずの街が、突然”見知らぬ風景“に変わっていく。夫を懸命に受け止め、慈しみ、いたわる妻。彼女は共に病と闘い、来るべき時が来るまで彼の妻であり続けようと心に決める。「お前は平気なのか?俺が俺じゃなくなってしまっても」。一緒に積み重ねてきた人生をいつか忘れてしまうのだ。ひりつく想いでそう訊く夫に、彼女は静かに答える。「私がいます。私が、ずっと、そばにいます。」そして、幾度もの夏が訪れる……。〈記憶〉を喪失しても、なお忘れなかったものが、いつも美しい夕映えの空気に映えていた。