生誕100年 『鶴岡政男展』 

−無頼の遊戯−
  
群馬県立館林美術館では、生誕100年を記念して鶴岡政男展が開催されています。
群馬県立館林美術館は平成13年にオープン。多々良沼の北側に位置し、桜並木や松林などの美しい自然に囲まれた美術館です。館内の周りは手入れのゆき届いた芝生が敷き詰められ、展示室の奥の木立の中、別館には彫刻家のアトリエが再現されています。

会期 平成19年4月14日(土)− 6月17日(日)
会場 群馬県立館林美術館
〒374-0076 群馬県館林市日向町2003 電話:0276-72-8188
交通アクセス 東武伊勢崎線館林駅前ロータリーよりバス
東武伊勢崎線多々良駅から徒歩約20分
開館時間 午前9時30分−午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 毎週月曜日〔4月30日(月・祝)は開館〕
観覧料 一般800(640)円、大高生400(320)円。
中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料。
カッコ内は20名以上の団体料金
主催 東京新聞群馬県立館林美術館
※この展覧会は、6月30日(土)から9月2日(日)まで、神奈川県立近代美術館鎌倉に巡回します。

群馬県高崎市に生まれた画家鶴岡政男(1907〜1979年)は、その生きた時代や社会と深く関わりながら、常に人間とは何かを問い続けました。戦前のNOVA美術協会時代から始まる目まぐるしい画風の変貌と独自の生きざまは、自己に忠実に生きた証であり、その存在は戦後洋画の異才として注目され続けています。中でも、敗戦直後の日本人の抑圧された心理状況を表した「重い手」や「夜の群像」、原爆投下をモティーフとした「人間気化」といった作品は、戦後美術を語る上で欠かせない象徴的な作品として今日高く評価されています。また、1954(昭和29)年、美術雑誌の座談会で発した「事ではなく物を描く」という信条は、様々な解釈を生みながら当時の若い作家たちに影響を与えました。ときにユーモラスで甘美なエロティシズムを感じさせる独特の画風の根底には、絶えず人を見つめ、そこに人間性を認めようとし続けた画家の真摯な姿が窺われます。

本展は、作家の生誕100年を記念して、生地群馬県と晩年を過ごした神奈川県の両県立美術館において開催するものです。戦前から戦後にかけて、人間とそれを取り巻く現実の矛盾への追究を続けた鶴岡政男の画業を、代表作である油絵、パステル画、素描、彫刻など計157点の作品によって改めて検証します。