『正しい傷の直し方』

taishiho2006-08-11



先日、新聞を読んでいたら、こんな記事が載っていました。
みなさんは、ご存知でしたか?私は、全然知りませんでした。
でもよく考えてみたら、最近のバンドエイドのコマーシャルを見ていたら
それらしきことを言っていたような気がしました。
因みにこれは、いつもケガばかりして傷だらけの、私の娘の脚です。

●『閉鎖湿潤ラップ療法』


傷は消毒しないと化膿する
傷は乾燥させる(濡らしてはいけない)
かさぶたができるのは傷が治りかけている証拠
というのは、すべて間違いです。


「閉鎖湿潤ラップ療法」とは
傷を水道水でよく洗って傷を乾かさないようにラップで被って縁をテープでとめる。
あとは毎日、傷とそのまわりを水洗いしてラップを交換していけばOK。

翌日のラップ交換時には、すでにこれまでとは明らかに治り方の違いが分かります。
すりむき傷のような皮膚欠損がある場合などはかなり顕著で、1日目にして
すでに新しい皮膚が再生しはじめているのがみてわかるはずです。

通常よりはやく、そしてきれいに痛みもなく傷が治ってしまいます。
かさぶたができないというのも大きな特徴で、かさぶたに関係した肌の突っ張りや
かさぶたが剥がれて再出血ということもありません。


■消毒は絶対にしない!
閉鎖湿潤ラップ療法のポイントは、消毒薬は決して使わないこと。

消毒薬は細菌・細胞を殺す毒であって当然正常な細胞に対しても毒性があります。
消毒するということは傷を治そうとする細胞を殺すことになり傷の治りが遅くなります。


■傷は乾かさない=湿潤状態を保つ
閉鎖湿潤ラップ療法のもうひとつのポイントは、傷を乾かさないこと。

傷からは治すために必要な成分が含まれた非常に重要な滲出液が出てきています。
ガーゼを当てると必要な成分が吸収されて乾燥して自然治癒効果をなしません。
そこで、ラップを当ててテープで留めて密封することでキズを常に湿らせた状態にし
人間が持っている自然治癒能力を最大限に活かすことができるというわけです。



※閉鎖湿潤療法をしない方がいい場合
ただし注意点として、深い刺し傷や動物に噛まれた傷の場合は、破傷風蜂窩織炎などの創感染の可能性があるので閉鎖湿潤療法は避けてください。また傷口の断面がギザギザにささくれていたり、大きな傷の場合、洗浄が十分に行えず、そのままラップ等で密封してしまうと、嫌気性菌という空気が無いところで繁殖する菌が増殖して、大変なことになる場合もあります。


小さい切り傷程度であれば、医材メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソン社が出している「バンドエイド」キズパワーパッドが便利かもしれません。普通の絆創膏とほぼ同じサイズ・10枚入りで定価850円(実売は650円程度)。5日間張りっぱなしOK


[切り傷、擦り傷などのケガした場合の処置方法のまとめ]

◆ キズの閉鎖湿潤療法(ラップ療法)◆
傷を水でよく洗う。消毒はしない!
傷を被うように少し大きめのラップをあてて、縁をテープで留める
翌日から毎日傷を水洗いしラップを交換。汗の多い季節は日に1-2回程度繰り返す。