『幸福』

taishiho2008-07-14

製作国:フランス(1964年)
監督: アニエス・ヴァルダ
出演: ジャン・クロード・ドルオー, クレール・ドルオー
tougyouさんとringoさんとbeatleさんのブログで取り上げられていた作品です。
家の安いプレーヤーでDVD-RAMが観られるか心配でしたがお陰様で観る事ができました。
映画は映像と音楽といいますが、本当にこの映画は映像と音楽が美しいです。
この家族は毎週日曜日になると、美しい自然の中でゆっくりした時間を過ごしています。
ある日、夫に好きな人が出来てしまいます。よくあるパターンです。ところが
信じられないことに<妻も恋人も、同じように愛している>ことを妻に告白してしまいます。
もし自分だったら、恋人が出来た時点で大いに悩むだろうし先のことも読むと思います。
でも、この男は当然のように<妻も恋人も、同じように愛している>を通そうとするのです。
結局、妻は自殺してしまうのに夫はあまりショックを受けたように見えないのが不思議です。
夫は、待ってましたとばかり恋人と結婚して子どももすぐなついているように見えます。
これは自分にはありえない。もてる男はこんなものなのだろうかとつい思ってしまいます。
映画は、僕が考えているような醜い部分はいっさい見せないで美しく流れていくのです。
映像と音楽が美しい映画といえば、僕は真っ先に「バリー・リンドン」が頭に浮かびます。
バリー・リンドンの妻はただ黙っているだけですが、その苦悩が胸に伝わってくるのです。
この映画はたぶん苦悩を描かないでクールな映像と音楽に徹したということなのでしょう。
ringoさん、DVDありがとうございました。