『飯田善國』―版画と彫刻―

taishiho2007-05-17

距離の風景〜矢場川・HITO・クロマトポイエマ

2007年4月14日(土)〜6月10日(日)
開館時間:午前10時〜午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般600(480)円/高校・大学生400(320)円/中学生以下は無料
     *( )内は20名以上の団体料金  *6月10日(栃木県民の日)は無料
主催:(財)足利市みどりと文化・スポーツ財団(足利市立美術館)
    足利市教育委員会/栃木県立美術館
企画協力:町田市立国際版画美術館  協力:東武鉄道

 飯田善國(1923-2006)は東京芸術大学を卒業後、11年滞欧。その間画家から彫刻家へと転身を図り帰国しました。国内では大阪万博時のプロジェクトや町田市芹ヶ谷公園、海外ではパリ市野外彫刻美術館の巨大なモビールなど数多く設置され、国際的に活躍した彫刻家として知られます。ステンレスと着色ナイロンロープという独創的な彫刻や詩、エッセー、評論など、その才知あふれる活躍に昨年4月の急逝によって終止符が打たれました。

本展は飯田善國の遺した「ことば」と版画と彫刻を手がかりにその業績を紹介し、郷里での没後1年追悼展とします。


                    お ぞ ね
矢場川 飯田は筑波村大字小曽根(現在の足利市小曽根町)に生まれ、旧制館林中学校を卒業するまで暮らした。矢場川、
みくりや
御厨田んぼ、魚の感触、白根山赤城山、風景の発見、家族、絵画と文学、詩。自然と交感するなかで、それぞれの「距離」を発見。郷里は飯田の創造の源泉だった。
《矢場川風景―秋色》1953年、油彩、足利市立美術館

HITO 慶應義塾高等部入学、応召。復員後、東京芸術大学梅原龍三郎教室で念願の画家修業が始まった。しかし、人間や文明の闇を見た戦争体験、自身の病や失恋などをきっかけに飯田は「夜の思想」に到達、数年を過ごした。1956年に渡欧、ローマ、ウィーン、ベルリンと11年滞在。その間、彫刻の魅力を発見。人体のデッサン、塑像のほか銅版画にも取り組んだ。ヴォルスとムーアの作品に衝撃を受け、彫刻家への道を確信。飯田独自の人間像〈HITO〉を摸索した。
《HITO》1963年、彫刻、栃木県立美術館



クロマトポイエマ 1972年、敬愛する詩人西脇順三郎との共作。アルファベット26個にそれぞれに色を配し、西脇の英文詩に色と形を与えた詩画集。「遠いものの連結」という西脇の詩の原理を応用、「ナイロンの世界」と言わしめた。後に彫刻にも応用され、ステンレス、着色ナイロンロープの組み合わせは飯田彫刻の典型となった。

詩画集『クロマトポイエマ』より《表紙4》1972年、版画、栃木県立美術館



●記念講演会Ⅱ 6月10日(日)午後2時〜4時

「飯田善國と西脇順三郎

講師:川島健二(飯田善國研究/民俗学

●飯田善國を語る 5月20日(日) 午後2時〜4時

「でかした!飯田画伯!」

出演:吉益淑子(郷土後援会)、齋藤蔵三(同級生)、大竹守夫(同級生)、飯田邦彦(善國甥)

 聞き手:川島健

  *会場はすべて当館多目的ホール(定員80名)

  * 参加無料、展覧会観覧の場合は観覧料が必要

  *参加希望者は電話で予約(℡.0284-43-3131)

※僕の高校の大先輩でもある飯田善國さんの展覧会が石井画廊の真ん前の足利市立美術館で開催されています。飯田善國さんは、館林高校50周年の文化祭(大成祭)の時に公演に来てくれたので大変印象に残っています。