『隠し剣 鬼の爪』

taishiho2007-01-16

監督 : 山田洋次
出演 : 永瀬正敏松たか子吉岡秀隆小澤征悦
    田畑智子高島礼子倍賞千恵子田中邦衛
    光本幸子田中泯小林稔侍 、 緒形拳


山田洋次藤沢周平時代劇三部作の二本目の作品『隠し剣 鬼の爪』を観ました。
一本目の『たそがれ清兵衛』はすぐに映画館で観たのですが、『隠し剣 鬼の爪』は
観よう観ようと思っているうちに次の三部作完結編「武士の一分」ができてしまいました。
「武士の一分」を観る前に、是非『隠し剣 鬼の爪』を観ておきたかったのです。
主演の永瀬正敏は『たそがれ清兵衛』の真田広之より地味ですがリアリティがあります。
僕の好きな山田監督の名作『息子』を思い出します。
吉岡秀隆倍賞千恵子が出てくると寅さんを思い出して嬉しくなります。
話は『たそがれ清兵衛』に似ていますが、妹は嫁に行き、きえも嫁いで、母は亡くなり
家は暗くなる一方で観ていてこのまま終わってしまうのかと心配になりました。

でも最後は『幸福の黄色いハンカチ』を彷彿とさせるようなラストでホッとしました。
山田監督はこれを描きたかったんだと思いました。最後は泣かせます。

時は幕末、庄内・海坂藩の下級武士・片桐宗蔵(永瀬正敏)は、かつて自分の家に奉公していたきえ(松たか子)が嫁入り先で虐げられていることを知り、その身柄を預かった。しかし世間の目は冷たく、やがてきえは宗蔵のもとを去っていく。そんな折、謀反の罪で投獄されていた友人の弥一郎(小沢征悦)が脱獄。家老の堀(緒形拳)は、非情にも宗蔵にその征伐を命じた…。


山田洋次が監督・脚本を務め、藤沢周平原作によるふたつの短編小説を元に男女の悲恋を描いた時代劇。幕末を迎えた江戸時代を舞台に、下級武士である片桐宗蔵と、かつての片桐家の奉公人・きえが恋に揺れ悩む姿を静かに映す。