「友がみな我よりえらく見える日は」上原隆著

taishiho2006-07-26

beatleさんjinkan_mizuhoさんshiropp さん、お薦めの本を読みました。


これは、普通の人々の生活をリアルに書いた大変貴重な記録です。
いつも映画やテレビドラマを見ていてリアリティがないと感じていた。
それでは本当の私たちの生活とは、どういうものなのだろう。
その答えがこの本にあった。そう、答えは一つではないのです。
生きている人の数だけあると言ってしまっても過言ではありません。
*目次
友 よ・・・・アパートの五階から墜落し両目を失明した市役所職員。
容 貌・・・・その容貌ゆえに四十六年間、一度も男性とつきあったことのない独身OL。
ホームレス・・後輩を思って上司を殴り、部屋に来る友達を断れなくて住まいを失った男。
登校拒否・・・「無能の人」を見て、マンガを描く事に気持ちのはけ口を見出す定時制高校生。
テレクラ・・・テレクラ通いをする夫に嫉妬する妻が持ってきた一本のカセットテープ。
芥川賞作家・・ホームレス同然の生活を続け妻子からも捨てられた芥川賞作家。
職人気質・・・時代がかわり、すっかり仕事が減ってしまった映画のネガ編集者の女。
父子家庭・・・子供嫌いの妻と離婚して、家事に追われながら10歳の娘と生活する男。
身の上話・・・ひとりめは女癖、ふたりめは盗み癖の夫と離婚するタクシードライバーの女。
別れた男たち・大学教授だった男。専業主婦を願った男。男を作った妻を迎えに行く夫。
女優志願・・・何度やっても演技がうまくいかず、稽古をつけてもらえなくなる女優志願の女。
うつ病・・・・三度にわたる大学受験の失敗、さらに二度にわたり看護実習を挫折をする男。
離 婚・・・・残業の多い私企業で働くきれい好きな妻と別れた小学校の事務職員の男。
リストラ・・・居酒屋で宴会をする、リストラされた会社の6人のグループの仲間たち。
そして、次にくるのが私(食えない版画家)のお話であり、あなたのお話です。
有名な人よりも無名な人の方が多い。
成功よりも失敗の方が多い。
人と人が一緒に生活することは大変なことが多い。
ほとんどの人は自分にコンプレックスを持っている。などなど
この本を読んでいると数々の当たり前のことに気付かされます。
とにかく、この狭い日本だけでもそれはそれはいろんな普通の人がいるということです。
beatleさんjinkan_mizuhoさんshiropp さん、御紹介ありがとうございました。