この本を読む前に椎名誠の「シベリア追跡」という本を読んだ。
これは「おろしや国酔夢譚」に登場する大黒屋光太夫とその仲間達が
200年前に旅した跡を作家・椎名誠が自分の足で追跡するという本だ。
これも、なかなか面白い本で良くぞそこまでやってくれたと手を叩きたくなる。
元々「北槎聞略(ほくさぶんりゃく) 桂川 甫周 著という本が最初にあった。
その本を井上靖が小説に書き起こしたものが「おろしや国酔夢譚」なのである。
光太夫たちの残したその足跡は驚くべき長い距離、そして気が遠くなる時間だった。
だが、江戸幕府が帰ってきた光太夫に酬いたものはなんと終身幽閉であった。
こんなにもの凄い人が、鎖国の日本にいたということをみんなに知ってもらいたい。