『スズメバチの巣』


車が2台になったので、じゃまな枝を切っていたら
ラグビーボール位の大きさの「スズメバチの巣」を発見した。
地面すれすれの所だったせいか全然気が付かなかった。
確かに、去年の夏は何匹かスズメバチを見たことはあったが
まさか自分の家の駐車場に生えている木の枝に巣があったなんて。
蜂がいないか心配だったので、すぐに検索してみたら
日本の冬は「スズメバチの巣」は空家になるということが分かった。

スズメバチの巣』
ウィキペディアWikipedia
コガタスズメバチの初期巣スズメバチの巣は、基本的にはアシナガバチのそれに似たものである。材料は枯れ木から齧り取った木の繊維を唾液のタンパク質などで固めたもので、一種の紙のようなものである。この材料を使って管を作ったものが巣の構成単位で、その中に卵を産み、幼虫が孵化し成長するにつれ部屋を拡大延長する。幼虫が蛹になると蓋をされ、羽化して成虫が脱出すると巣の役目は終了する。

このような巣を平面的に外側へ追加して、円盤状になったものを柄をもって木の枝などからぶら下げたものがアシナガバチの巣であるが、スズメバチの場合、この巣の周りを同じ材質でできた外被と呼ばれるもので覆う。外被は保温材としての働きの他、アリなどを防ぐ防壁としての機能がある。外被を作らないアシナガバチでは、巣の柄の部分にアリが避ける物質を塗りこれを防ぐ。このように外被のある構造なので、スズメバチの巣は出入り口が一つであり、巣の形からも他のハチと見分けることが可能である。

女王蜂が最初に作る巣には、働き蜂が誕生して大きく成長した巣には見られない特徴が見られることがしばしばある。例えばコガタスズメバチの初期巣はトックリを逆さにぶら下げたような形をしており、口の部分が出入り口になっている。また、クロスズメバチ類などでは巣の基質への付着部がねじれた三角形の板になっていて弾力で衝撃を吸収するようになっている。やがて働きバチの誕生に伴い、次第に巣は拡張され、それにつれて女王蜂が単独で作った巣に固有の特徴も失われていく。

巣盤はアシナガバチの様な1段ではなく、その下に新たに追加され、数段の巣盤が互いに柱で結びついた形となり、外被も球形のものになってゆく。囲いは巣材を採集する働き蜂の個体ごとに、異なる枯れ木や朽木、樹皮などの採取場所を持つ。このため、何個体もの働き蜂が持ち帰った何種類もの材料を用いて、一部づつを魚の鱗が成長するように塗ってゆくため、色違いの鱗模様に彩られる。

大きなものでは一抱えもあるようなものとなる。この外被は働き蜂の造巣活動によって次第に皿状に湾曲した鱗を重ねたように空隙を抱えながら厚くなっていき、優れた保温効果を持つようになる。さらに、働き蜂は、ある程度厚くなった外被の内側の巣材を削り取ってさらにタンパク質などを含んだ唾液で練り直し、より強靭な巣盤の材料として内部の営巣部の拡張を行う。

多段式に重なる巣盤を結合する支柱はさらに強度を要する。幼虫が蛹になるときに口から絹糸を吐いて巣室をふさぎ、繭を形成するが、支柱の建設に携わる働き蜂は、蛹が羽化した後に不用になったこの繭の絹糸を噛み砕いてほぐし、内側から削り取った外被、及びだ液と練り混ぜて、支柱の素材とする。

こうして次世代の新女王蜂や雄蜂が養育される時期には巣は巨大なものに成長するが、日本のような温帯では、秋の終わりになると巣外で交尾し越冬する新女王蜂を除き全てのハチが死に絶えるので、巣は空き家となる。

ただしこれは日本の場合であり、冬のない熱帯地方では1つの巣に数十匹の女王、数百万匹の働き蜂を抱える巨大な巣に成長する場合もある。